• 112-0014 東京都文京区関口1丁目15-9
  • 休診日:火午後、水午前、木
お問い合わせはお気軽に!
03-3267-4077
Column
コラム

インフルエンザの予防接種はいつから打てる?2025年時のベスト接種時期

インフルエンザ予防接種の時期を把握していないまま流行シーズンを迎えてしまうと、事前の対策が間に合わない可能性があります。

2025年も例年と同様、10月頃から予防接種の接種開始が見込まれています。流行が本格化する前に準備を進めておくことが、体調管理の一環として大切です。

接種のタイミングを逃すと、ワクチンの効果が期待される免疫が十分に働くまでに時間がかかる場合もあるため、余裕をもったスケジュールでの対応が望ましいとされています。

この記事では、2025年のインフルエンザワクチンの接種開始時期について、現時点での見通しを紹介するとともに、ワクチン接種に関する基本的な考え方や、予約をスムーズに行うためのポイントをお伝えします。

読み終えるころには、ご自身やご家族が予防接種を検討する際に参考となる情報が得られるはずです。インフルエンザ対策の一つとして、計画的な対応を進めていきましょう。

2025年インフルエンザ予防接種はいつから?開始時期を対象者別に解説

2025年のインフルエンザ予防接種は、いつから受けられるのでしょうか。厚生労働省では、ワクチンをより必要とされる方々に円滑に届くよう、対象者に応じた接種時期の調整を各医療機関や自治体に呼びかけています。

今年も、まずは65歳以上の高齢者など、重症化リスクが高いとされる方々を対象に、10月1日から定期接種が開始される予定です。これに続いて、一般の方向けの接種は10月26日以降から可能となる見込みです。

ただ、開始時期や対象者の範囲は自治体によって異なる場合があるので、お住まいの地域の公式な情報を確認したうえで、必要に応じて医療機関へ事前に問い合わせておくと安心です。

これらの接種スケジュールは、インフルエンザの流行時期や、特定の方々における感染後の健康影響を考慮して設定されています。自身や家族の健康管理の一環として、適切なタイミングでの接種を検討することが推奨されています。

65歳以上の方は10月1日から優先開始

65歳以上の方は、予防接種法に基づく定期接種の対象者とされており、2025年は10月1日から優先的に接種を受けることができます。これは、高齢者がインフルエンザに感染した場合、重症化する可能性が比較的高いとされていることに基づいた方針です。

また、定期接種の対象には、65歳以上の方に加え、60~64歳で一定の基礎疾患がある方も含まれています。具体的には、心臓、腎臓、または呼吸器の機能に重い障害がある方や、HIVによって免疫機能に障害があると診断された方が対象となります。

厚生労働省や関連機関によると、インフルエンザワクチンは感染後の重症化リスクを抑える可能性があると報告されています。過去の国内研究では、65歳以上の高齢者については、インフルエンザワクチンにより34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされています※。重症化予防効果が高いため、該当する方は早期の接種が推奨されます。

参照元:インフルエンザ(季節性):ワクチンの効果|厚生労働省

一般の方は10月26日以降から接種可能

64歳以下の健康な成人をはじめとする一般の方のインフルエンザ予防接種は、2025年は10月26日以降から受けられる見通しです。これは、高齢者や基礎疾患のある方など、重症化リスクが比較的高いとされる方々への接種を優先するため、約3週間の期間を設けているものです。

10月26日以降は、以下のような方々も接種の対象に含まれます。

  • 医療従事者
  • 65歳未満で基礎疾患のある方
  • 妊娠中の方
  • 生後6か月~小学2年生までの小児

これらの方々は、集団生活や基礎疾患の有無などにより、インフルエンザ感染時の健康への影響が懸念される場合があります。接種を検討する際には、事前に医師と相談し、それぞれの健康状態や生活環境を踏まえた判断が重要です。

一般の方に対する接種は任意接種として扱われており、原則として全額自己負担となります。ただし、市区町村によっては、独自の助成制度を設けている場合もあります。費用面が気になる方は、お住まいの自治体の公式サイトや窓口などで最新情報を確認してください。

自治体により開始時期が異なる場合の確認方法

インフルエンザワクチンの接種開始時期は、地域によって異なる場合があります。これは、各自治体におけるワクチンの供給状況や医療機関の体制準備の進行度などによって、スケジュールに差が生じることがあるためです。

そのため、厚生労働省が示す全国的な目安とは異なる日程で接種が始まるケースも見られます。予防接種を希望する方は、お住まいの自治体の情報を個別に確認することが大切です。

具体的な確認方法としては、以下の手段があります。

市区町村の保健所・保健センターに問い合わせる
接種の対象時期や予約方法など、正確な情報が得られる場合があります。

自治体の公式ホームページを確認する
多くの自治体では、インフルエンザワクチンの接種開始時期、対象者、接種場所などに関する情報を、季節前に掲載しています。

地域の医師会や接種実施医療機関へ直接確認する
かかりつけ医や地域のクリニックに問い合わせることで、予約の有無やスケジュールの詳細を知ることができます。

特に、定期接種の対象となる方(65歳以上や基礎疾患のある方など)は、自治体によって接種の実施期間や自己負担金の有無が異なる場合があります。こうした違いを事前に把握しておくことで、よりスムーズに接種準備を進められるでしょう。

接種のベスト時期は11月中旬まで!流行期間から逆算したスケジュール

インフルエンザワクチンはいつまでに接種すれば効果的なのでしょうか。日本では例年12月から4月頃にインフルエンザが流行し、1月末から3月上旬に流行のピークを迎えるため、この時期に免疫力が高まっている状態にしておくとよいでしょう。

ワクチン接種から免疫獲得まで約2週間かかることを考慮すると、12月中旬までに接種を完了することが望ましいとされています。しかし、より確実に流行期に備えるためには、11月中旬までの接種完了が理想的です。実際の接種時期については、体調や生活スケジュールを考慮し、医療機関と相談しながら決めることが大切です。

ワクチン接種後2週間で免疫がつく仕組み

インフルエンザワクチンを接種すると、体内で免疫細胞がワクチンの成分を認識し、インフルエンザウイルスに対する抗体を産生し始めます。この抗体がつくられるプロセスには、接種後約2週間から4週間の期間が必要とされています。

ワクチンに含まれるインフルエンザウイルスの抗原成分が体内に入ると、免疫システムがそれを「異物」として認識します。その後、免疫細胞が抗体を産生し、実際のウイルスが侵入した際に素早く対応できる体制を整えるのです。この免疫反応は記憶されるため、次にインフルエンザウイルスが体内に侵入した時には、迅速かつ効果的にウイルスの増殖を抑えることができるようになります。

一度獲得された免疫は約5か月間持続するとされており、10月に接種した場合は翌年3月まで効果が期待できます。ただ、これにも個人差があり、年齢や体調、生活環境などによって変化します。

また、冬季の流行期には、日常生活の中でインフルエンザウイルスに触れる機会があるため、それが追加的な免疫刺激(いわゆる「ナチュラルブースト」)として働く場合があるとも言われています。

11月中旬までにワクチン接種を完了すべき理由

インフルエンザワクチンの接種時期については、日本国内の流行傾向と免疫が獲得されるまでの期間をもとに考えることができます。

厚生労働省の報告によると、日本では例年12月から流行が始まり、1月末から3月上旬に流行のピークを迎えることが確認されています。ワクチン接種から十分な免疫が獲得されるまでには2週間から4週間が必要なため、12月の流行開始前に免疫を確立するには、遅くとも11月中には接種を完了する必要があります。11月中旬までに接種を完了すれば、12月の流行開始時には免疫が獲得された状態で迎えることができるのです。

また、過去の流行データからも、早期の免疫獲得の重要性が裏付けられています。流行が始まってからワクチンを接種しても、免疫が十分に形成される前に感染してしまうリスクが高まります。そのため、流行前の余裕をもった接種スケジュールが推奨されているのです。

ワクチン接種は早すぎても遅すぎてもよくない

インフルエンザワクチンの接種時期が早すぎる場合と遅すぎる場合、それぞれ異なるデメリットが生じる可能性があります。

早期接種(9月頃)の場合

9月など比較的早い時期にインフルエンザワクチンを接種すると、流行のピーク時期(1月~3月頃)に、ワクチンによる免疫が低下している可能性があると指摘されることがあります。ワクチン接種によって得られる免疫の持続期間は一般的におよそ5か月程度とされますが、この期間には個人差があり、時間の経過とともに抗体価が緩やかに減少していく傾向があるとも言われています。

このため、早期の接種が必ずしもベストな選択とは限らず、自身の感染リスクが高まる時期に免疫が保たれているようなスケジューリングを意識するようにしましょう。

遅延接種(12月以降)の場合

逆に、接種時期が12月以降にずれ込んだ場合には、免疫がつくまでの期間(およそ2~4週間)を考慮すると、流行の初期段階に間に合わない可能性もあります。

たとえば、12月下旬に接種した場合、抗体が十分に形成されるであろう時期は1月中旬以降となるため、それまでの間にウイルスと接触するリスクも考えられます。特に、身近に感染者が出ている、または集団生活の場にいるといった場合は、接種を待っている間に感染する可能性もゼロではありません。

あくまで一般的なピーク時期を軸に説明しましたが、ワクチン接種を検討する際には、実際の流行時期や免疫がつくまでの期間を踏まえたうえで、接種を検討することが重要です。

  • 診療時間
    日・祝
  • 8:30〜12:30
  • 15:00〜18:00

●は土曜午後と日曜・祝日午後は14時〜16時
※乳幼児健診日は
月・水・金は午後3時から4時 
土・日・祭日は午後2時から4時

※予防接種日は
月・水・金は午後3時から4時 
土・日・祭日は午後2時から4時

水曜日診療担当:金子堅一郎先生
(順天堂大学小児科名誉教授)