赤ちゃんは薄毛でも大丈夫?いつまで続く?成長の目安と期間
赤ちゃんの髪が薄いと気にしている方は少なくありません。いつになったら生えてくるのかと悩んでしまっていませんか。
赤ちゃん、特に初めての子育てだとあらゆることに不安を抱きがちです。結論からお伝えすると、赤ちゃんの薄毛は個人差であり、心配する必要はありません。
髪の生え方や量は遺伝や体質によって異なり、成長とともに変化していきます。この記事では、薄毛がいつまで続くのか、髪が増えてくる時期の目安について解説します。
お子さんの髪の成長を理解しておくと、安心して育児に臨めるでしょう。
赤ちゃんの薄毛は心配不要
生まれたばかりの赤ちゃんの髪が薄いと、将来も薄毛になるのではないかと心配される保護者の方は少なくありません。結論から言うと赤ちゃんの薄毛はほとんどの場合心配する必要がないものです。
赤ちゃんの髪の毛は細くて柔らかいため、実際よりも薄く見えやすく、頭皮が透けて見えることもあります。
しかし成長とともに髪質や毛量はどんどん変化していきます。そのため生まれたときの髪の量を気にする必要はないのです。
生まれたときの髪の量は個人差が大きい
赤ちゃんの髪の毛の量や長さは個人差が大きい部分です。生まれた瞬間からフサフサに生えている赤ちゃんもいれば、うっすら産毛のようなものが生えている程度の赤ちゃんまで色々な状態があります。
お腹の中にいるときから髪の毛がしっかり生えて生まれてくる赤ちゃんもいれば、出産後に伸びてくる赤ちゃんもいます。出産時に髪の毛が少なくても、その後生えそろうケースがほとんどですので心配する必要はありません。
身長や体重に個人差があるのと同じように、髪の毛の量や伸びる速さにも大きな個人差があるのです。
産毛から髪の毛への生え変わり時期
生まれたときから生えている赤ちゃんの髪は、いわゆる産毛と呼ばれるものです。お腹の中の赤ちゃんに髪の毛が作られ始めるのは、妊娠3ヶ月から4ヶ月頃からとされています。
赤ちゃんの産毛は、遅くても生後6ヶ月までに生え変わるものと考えられています。最初の生え変わりの際、一部の赤ちゃんは前頭部から頭頂部にかけて毛髪の大部分が休止期に入り、たくさんの毛が抜けてしまうこともあります。
この現象は新生児生理的脱毛と呼ばれ、一時的なものですのでしばらくすると新しい毛が生えてきます。
参考:周産期医学 49巻13号
赤ちゃんの薄毛が続く期間
赤ちゃんの薄毛がいつまで続くのか、多くの保護者が一番気になるところでしょう。産毛から本格的な髪の毛に完全に生え変わるのは3〜4歳頃とされますが、赤ちゃんによって髪の濃さや伸びる速さは異なります。
生え変わりのタイミングで毛質も変化していくため、成長を見守りましょう。
| 月齢 | 髪の状態 |
|---|---|
| 0~2ヶ月 | 個人差が大きい。髪がフサフサの赤ちゃんや少ない赤ちゃんがいる。 |
| 3~5ヶ月 | 摩擦で後頭部が薄くなることがある。 |
| 6~8ヶ月 | 場所によって伸び方が異なる。前髪、側頭部だけ長いことがある。 |
| 9~11ヶ月 | 髪が伸びてきたことを実感できる赤ちゃんが多い。 |
| 1歳~ 1歳2ヶ月 | 太い毛が生えそろい始める。 |
| 1歳3ヶ月~ 1歳5ヶ月 | 生えそろい始めた髪がさらに伸びる。 |
| 1歳6ヶ月~ 2歳 | 太い毛が生えそろう赤ちゃんが多い。 |
生まれたときに髪の毛が薄くてもずっとそのままではなく、段階的に変化していきます。月齢や年齢によって髪の状態は大きく変わっていくため、焦らず赤ちゃんの成長を待ちましょう。
生後6ヶ月までの髪の変化
生後0〜2ヶ月頃は、赤ちゃんの髪の毛はやわらかくて細いことが多いので、見た目が薄くても心配する必要はありません。
生後3〜5ヶ月頃は、あお向けで過ごす時間が長いため、床や寝具に頭が触れる部分の髪の毛が薄く見えることがあります。場合によっては、その部分だけまとめて抜けてしまうこともありますが、これは一時的なものです。
おすわりなどができるようになると、あお向けで過ごす時間も減り、髪の毛もまた生えそろってきます。
生後6〜8ヶ月頃になると、前髪だけ伸びて後ろ髪が伸びなかったり、頭頂部が薄いのに側頭部の髪の毛ばかり伸びてきたりと、場所によって髪の毛の伸び方が異なる場合もあります。
1歳から2歳の成長過程
生後9〜11ヶ月頃は、生まれたころの写真と見比べると、髪の毛が伸びてきたことを実感できる時期でしょう。髪型にもその子らしい特徴があらわれるようになります。
1歳〜1歳2ヶ月頃になると、太い髪の毛が生えそろい見た目にも濃くなってきたと実感できることが増えるでしょう。髪の毛が伸びるのが早い赤ちゃんは、初めての散髪を経験するかもしれません。
1歳3ヶ月〜1歳5ヶ月頃は、髪の毛がさらに伸びてきます。1歳6ヶ月〜2歳頃には太い毛が生えそろい、最初は薄毛に悩んでいた保護者も安心することが多い時期です。もちろん個人差はありますが、身長や体重と同じように、髪の毛もその子なりに伸びていれば問題ありません。
3歳から4歳で完全に生えそろう
赤ちゃんの髪の毛は細くて抜けやすいため、なかなか伸びないと感じることがあります。しかし、成長とともに髪の毛の質や量、伸びる速さが安定していきます。
産毛から髪の毛に完全に生え変わるのは3〜4歳頃とされています。赤ちゃんによって髪の濃さや伸びる速さは違いますが、多くの場合この時期までには生えそろいます。
3〜4歳を過ぎても生えそろわない場合は、かかりつけの皮膚科や小児科への相談を検討してください。
遺伝による薄毛の影響が色濃く出てくるのは思春期前後と言われていますので、赤ちゃんの時期に過剰に心配する必要はありません。
赤ちゃんの薄毛の主な原因
赤ちゃんの薄毛には、成長過程で起こる自然な原因があります。
後頭部が薄くなったり、一時的に抜け毛が増えたりすることがありますが、ほとんどの場合は成長とともに改善していくものです。
薄毛であっても、成長に伴って生えそろい、気にならなくなるので心配はいりません。抜け毛に関しても、髪の毛は一日50〜100本程度抜けるため、布団や枕に毛が落ちていても不安になる必要はないでしょう。
後頭部が薄くなる理由
赤ちゃんは仰向けになっている時間が長いため、後頭部が枕との摩擦で薄毛になりやすい特徴があります。これは乳児期後頭部脱毛といわれ、牽引性の脱毛症の一種だと考えられており、成長の自然な過程で起こる現象です。
あお向けで過ごす時間の長い月齢では、床や寝具に頭が触れるために、髪の毛が薄く見えることがあります。座ったり寝返りしたり、ハイハイができるようになるとあお向けで過ごす時間も減ってくるため、自然に解消されるものです。
また、後頭部の抜け毛は赤ちゃんが母体の中にいた時にできた毛髪の生え変わりのタイミングの関係もあります。まだ生まれて間もない赤ちゃんでは毛髪の生え変わりのタイミングが揃ってしまうため、後頭部だけ一斉に抜けてしまう現象が起きやすいのです。
新生児脱毛による抜け毛
成長に伴って髪の毛が生え変わるため、抜け毛が目立つように感じることがあります。多くの場合、脱毛しても時間がたつと新しい髪の毛が生えてきますので心配する必要はありません。
新生児生理的脱毛という現象があり、生後約3ヶ月で初めの毛ができあがりますが、またすぐに抜けてしまいます。この脱毛を経て、生後6ヶ月くらいで新しい毛に生え変わっていくのです。
赤ちゃんの髪の生え変わりには新陳代謝が大きく影響します。頭皮に汗や汚れがあった場合には、沐浴や入浴時にしっかりと洗い流し、清潔に保ってください。
赤ちゃんの髪のお手入れ方法
| お手入れ | ポイント |
|---|---|
| シャンプーの選び方 | 大人用のシャンプーを使わない 乳児脂漏性湿疹防止のために適度な洗浄力のあるシャンプーを使う |
| 洗い方 | 髪をシャンプー前にしっかりと濡らす やさしく洗う 生え際や耳の後ろなどの洗い残しに注意 |
| ブラッシングの方法 | 赤ちゃん専用ブラシを使う 寝起きやお風呂上がりにとかす |
赤ちゃんの髪の毛のお手入れは、皮膚への刺激を最小限にしながら清潔を保つことを第一にしましょう。適切なシャンプー選び、洗い方、そしてブラッシングが大切なポイントです。
赤ちゃんの皮膚は刺激に弱く繊細なため、洗浄力の高い大人用のシャンプーを使うと乾燥や肌荒れの原因となります。しかし、乳児脂漏性湿疹などの肌トラブルを防止するためにも、適度な洗浄力は必要です。
赤ちゃんの髪の毛を洗う際には、低刺激性の赤ちゃん用のシャンプーを使うのがおすすめです。洗髪前に髪の毛をよく濡らし、シャンプーを手のひらでしっかりと泡立ててから、ぬるま湯でやさしく洗ってあげましょう。
シャワーを使用する際には水圧を弱めに設定するのもポイントです。生え際や耳の後ろなどの洗い忘れやすすぎ残しにも注意してあげましょう。
赤ちゃんの皮膚は薄いため、大人用のヘアブラシでは傷が付く可能性があります。ブラッシングの際は赤ちゃんの産毛や頭皮にやさしい専用のヘアブラシを使うことをおすすめします。
赤ちゃんの髪の毛は細く毛が絡まりやすいため、寝起きやお風呂上がりに髪の毛をとかしてお手入れすると良いでしょう。
病院受診を検討すべき場合
赤ちゃんの薄毛は多くの場合過剰に心配する必要はありませんが、稀に医療的な対応が求められるケースもあります。
生えそろう目安である3~4歳を過ぎても薄毛のままの場合や、頭皮に異常が見られる場合には、医療機関での診察を受けたほうがよいでしょう。
赤ちゃんの薄毛は皮膚科や小児科で相談できますので、気になる症状があれば早めに相談しましょう。
3〜4歳を過ぎても生えない
赤ちゃんの髪の毛は細くて抜けやすいため、なかなか伸びないと感じることがありますが、成長とともに髪の毛の質や量、伸びる速さが安定します。
3〜4歳を過ぎても生えそろわない場合は、かかりつけの皮膚科や小児科に相談をしましょう。乏毛症や無毛症という髪の毛が乏しくなる先天性の病気もありますが、こうした疾患は稀です。
先天性縮毛症とも呼ばれ、短くて細い縮れ毛が認められる場合もあります。
ただし1〜2ヶ月で髪や頭皮の状態が急に変化した場合は、念のため専門医に診てもらうことをおすすめします。
頭皮に異常が見られる時やその他の疾患が疑われる時
- 白癬菌感染症
- 瘢痕性脱毛症
- 抜毛症
- その他の脱毛症(脂腺母斑、先天性三角形脱毛症、休止期脱毛症、先天性皮膚欠損など)
頭皮に異常がある場合は注意が必要です。白癬菌感染症は多い疾患であり、白癬菌が部分的に脱毛症を引き起こします。
炎症が強い場合は瘢痕性脱毛症に移行して自然発毛が望めなくなることもあるため、早めの対応が求められます。また、脂漏性皮膚炎も多い疾患です。
円形脱毛症は赤ちゃんを含む小児期でも発症することがあるとされています。円形脱毛症を発症した方の調査では、205例のうち37例(約18%)が0歳から15歳の小児期でした。
抜毛症と言って、赤ちゃんが自分で毛髪を抜いてしまう癖を持ってしまうこともあります。その他には脂腺母斑での脱毛症や先天性皮膚欠損、先天性三角形脱毛症、休止期脱毛症などの鑑別を必要とする脱毛症の疾患がありますが、頻度的には珍しい疾患です。
気になる症状があれば、乳幼児健診などの機会に医師に質問し、必要に応じて専門医に相談しましょう。