AGA治療薬の種類と効果を徹底比較！あなたに合う薬は？

AGA治療を始めようと考えているものの、治療薬の種類は一つではないためどれが自分に合っているかわからずに困っていませんか？

プロペシア、ザガーロ、ミノキシジルなど様々な薬があり、使用方法や効果、特徴が異なります。薄毛を解消できるならどれでも良いのではないか？と思ってしまう方もいるかもしれません。

しかし自分の症状や体質に合わない薬を選んでしまうと、期待した結果が得られない場合や副作用が起こってしまうこともあるでしょう。

本記事では、代表的なAGA治療薬の種類と効果の違いを分かりやすく比較して解説します。読み進めると各治療薬の特徴を理解でき、あなたに適した選択肢が見つかります。

薄毛の悩みに向き合う第一歩は、まずは正しい知識を身につけることから始めていきましょう。

AGA治療薬は大きく2つの作用に分かれる

AGA治療薬を選ぶ際に知っておきたいのが、薬の作用には大きく2つのタイプがあるということです。

• 抜け毛を防いで薄毛の進行を止める薬
• 新しい髪の成長を促す薬

それぞれ作用する仕組みが異なるため、症状や目的に応じて使い分けることが大切になります。

AGAは男性ホルモンの一種であるDHTが毛根に作用して発症します。脱毛を防ぐ薬はDHTの生成を抑えて薄毛の進行を止め、発毛を促す薬は頭皮の血流を改善して毛母細胞を活性化させます。

それぞれの特徴を理解しておくと、自分に合った治療薬を選べるようになるでしょう。

脱毛を防ぐ薬と発毛を促す薬の違い

• 代表薬：フィナステリド、デュタステリド
• 作用：5α-リダクターゼの働きを抑制
• 効果：DHT生成を防ぎ抜け毛を減らす

脱毛を防ぐ薬の代表は内服薬のフィナステリドとデュタステリドです。これらは5α-リダクターゼという酵素の働きを抑えることで、男性ホルモンのテストステロンがDHTに変換されるのを防ぎます。

DHTは毛根を縮小させて髪の成長期間を短くするため、内服薬はDHTの生成を抑えて抜け毛を減らし、現在ある髪を維持できます。

• 代表薬：ミノキシジル
• 作用：血管拡張により頭皮の血流改善
• 効果：毛母細胞を活性化し、新しい髪の成長を促進

一方、発毛を促す薬の代表は頭皮に塗る外用薬のミノキシジルです。ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として開発されましたが、血管を拡張する作用によって頭皮の血流が改善され、毛母細胞が活性化することが分かりました。

休止期の毛根が成長期に移行し、新しい髪が生えてくる効果が期待できます。内服薬と外用薬の作用は補完的な関係にあります。

内服薬か外用薬どちらか一方だけ、あるいは併用などAGAの症状によって使用します。

内服薬と外用薬の併用治療が効果的な理由

脱毛を防ぐ薬と発毛を促す薬を併用すると、より高い治療効果が期待できます。フィナステリドやデュタステリドで抜け毛を止めても、すでに失われた髪が自然に戻ってくるわけではありません。

そこにミノキシジルを加えることで、新しい髪の成長を促進できるのです。

日本皮膚科学会のガイドラインでもフィナステリド、デュタステリドとミノキシジル外用薬はいずれも男性型脱毛症に対して推奨度Aとされています。

ただし併用する場合は、それぞれの副作用のリスクも考慮する必要があります。また、すべての人に併用が必要なわけではなく、症状の進行度や治療目標によって、単剤での治療が適している場合もあるでしょう。

治療方針は医師と相談しながら決めることをおすすめします。

脱毛を防ぐ薬の種類と効果

脱毛を防ぐタイプのAGA治療薬には、フィナステリドとデュタステリドという2つの主要な成分があります。どちらもDHTの生成を抑える働きを持ちますが、作用する範囲や効果の強さに違いがあります。

フィナステリドとデュタステリドは内服薬として1日1回服用します。継続して飲み続けてDHTの生成を抑え、徐々に抜け毛を減らす効果が現れます。

効果を実感できるまでには3〜6ヶ月程度かかるため、焦らず継続して服用する必要があります。

フィナステリドの特徴

フィナステリドは、5α-リダクターゼのII型に作用してDHTの生成を抑えます。プロペシアという商品名で知られており、日本では2005年に承認された最初のAGA内服薬です。

現在ではジェネリック医薬品も多数販売されており、月々3,000円程度から比較的手頃な価格で治療を受けられるようになりました。

日本皮膚科学会のガイドラインによると、臨床試験では1年間の服用で約58%の人に改善効果が見られ、3年間では約78%まで増加したという報告があります。

また、別の観察研究では5年間の内服継続で99.4％の症例で効果が得られたという結果も出ています。

副作用としては、性欲減退や勃起障害、精液量の減少などが報告されていますが、発生率はごく低いもので多くの人は問題なく服用を続けられるとされています。

万が一気になる症状が出た場合は医師に相談してください。

デュタステリドの特徴

デュタステリドは、5α-リダクターゼのI型とII型の両方に作用します。ザガーロという商品名で2015年にAGA治療薬として日本で承認されました。

フィナステリドよりも幅広くDHTの生成を抑えるため、より強力な脱毛抑制効果が期待できます。

日本皮膚科学会のガイドラインによるとデュタステリドを服用した人が、フィナステリドを服用した人と比べて優れた効果を示した臨床試験結果もあります。

ただし効果が強い分、副作用の発生率もフィナステリドよりやや高い傾向があります。ガイドラインでは、国際臨床試験、韓国の市販後調査、日本国内の試験においてリビドー減少で1.3％～8.3％発生したという結果が記載されています。

2つの薬はどう使い分ける？

薬剤	メリット	デメリット	適している人
フィナステリド	使用実績が長い 月3,000円程度から治療を始められる	効果がやや穏やか	初めてAGA治療を開始する人 費用を抑えたい人
デュタステリド	より高い効果	副作用発生率が高め 月額がフィナステリドよりも高額	フィナステリドで効果が十分に感じられなかった人 進行が速い人

一般的には、まずフィナステリドから治療を始めることが多いです。フィナステリドは使用実績が長く、安全性のデータが豊富に蓄積されています。また価格面でも、ジェネリック医薬品を選べば月3,000〜5,000円程度で治療を続けられます。

フィナステリドで十分な効果が得られない場合や、より強力な治療を希望する場合に、デュタステリドへの変更が検討されます。特にAGAの進行が速い人には、最初からデュタステリドを選択するケースもあります。

ただし、どちらの薬も妊娠中の女性が触れると胎児に影響を及ぼす可能性があるため、取り扱いには注意が必要です。また、未成年への使用は認められていません。自分にどちらが適しているかは、医師の診断を受けて決定してください。

発毛を促す薬の種類と効果

発毛を促すタイプのAGA治療薬の代表がミノキシジルです。ミノキシジルには外用薬と内服薬の2つのタイプがありますが、日本で承認されているのは外用薬のみです。

頭皮に直接塗布して局所的に血流を改善し、毛母細胞の働きを活性化させます。

ミノキシジルは世界中で使用されており、その発毛効果は多くの臨床試験で確認されています。日本皮膚科学会のガイドラインでも推奨度Aとされており、医療機関だけでなく薬局やドラッグストアでも購入できる発毛剤として広く利用されています。

ミノキシジル外用薬の効果

ミノキシジル外用薬は、濃度によって効果に差があります。日本では1%と5%の製品が主流で、男性には5%濃度が推奨されています。

日本皮膚科学会のガイドラインによると、臨床試験では2％ミノキシジル、5%ミノキシジル、フォーム（泡）型5％ミノキシジルいずれも毛髪数が増加した結果が出ました。

使用方法は1日2回、気になる部分に直接塗布します。液体タイプとフォームタイプは自分の使いやすさで選ぶとよいでしょう。

効果を実感できるまでには4〜6ヶ月程度かかるため、少なくとも半年程度は継続して使用してください。

副作用としては、頭皮のかゆみやかぶれ、赤みなどが報告されています。これは頭皮に直接塗布するため起こりやすい局所的な反応で、多くの場合は軽度です。

また、ガイドラインでは外用初期に休止期脱毛が見られることがあると記載されています。これは使用開始後1〜2ヶ月で一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」とも呼ばれるものです。

しかし休止期脱毛が外用中止につながるおそれがあるので、医師が説明を行う必要があると書かれています。治療を受ける方は医師に相談のうえ治療を途中でやめてしまわないようにしましょう。

ミノキシジル内服薬との違い

ミノキシジル内服薬は、外用薬よりも強力な発毛効果が期待できるとされていますが、日本では承認されていません。

一部のクリニックでは自由診療として処方していますが、安全性に関するデータが不十分なため、使用には慎重な判断が求められます。

種類	国内承認	主な副作用	推奨度
外用薬	承認済み	頭皮のかゆみ、かぶれ（局所的）	A
内服薬	未承認	動悸、めまいなど	D

内服薬は全身の血管に作用するため、外用薬では起こりにくい全身性の副作用が報告されています。動悸やめまい、むくみ、体毛の増加などが挙げられます。

また、心臓や血圧に影響を与える可能性があるため、循環器系の持病がある人は特に注意が必要でしょう。日本皮膚科学会のガイドラインでは、ミノキシジル内服薬の使用は推奨度Dとされています。

より安全に治療を進めたい場合は、承認されている外用薬を選んだほうがよいでしょう。外用薬でも十分な発毛効果が期待できるため、まずは外用薬から始めるのが一般的なアプローチです。

あなたに合うAGA治療薬の選び方3つのポイント

AGA治療薬で自分に合った薬は、下記の3点のポイントをチェックして選びましょう。

1. 現在の症状の進行度
2. 副作用のリスク
3. 治療にかけられる費用

治療薬の選択は、今後の髪の状態を左右する大切な決断です。焦らず自分の状況をしっかり見極めながら、医師と相談して決めていくことをおすすめします。

1.症状の進行度で選ぶ

AGAの進行度によって、適した治療薬は変わってきます。薄毛が気になり始めた初期段階では、まずフィナステリドで進行を止めることから始めるのが一般的です。現状維持ができると、見た目の印象の改善が期待できるでしょう。

すでにかなり薄毛が進行している場合は、脱毛を防ぐ薬だけでなく、ミノキシジルを併用して積極的に発毛を促す治療が効果的です。失われた髪を取り戻すには、新しい髪の成長を促進する必要があるためです。

また進行している状態であれば内服薬はフィナステリドではなくデュタステリドを選択肢に入れるとよいでしょう。ただしどの薬剤も医師の診察を受けて使用を決定してください。

2.副作用のリスクを考慮する

どの薬にも副作用のリスクがあるため、自分の体質や生活状況を考えて選ぶ必要があります。フィナステリドやデュタステリドには性機能に関する副作用が報告されています。

いずれも副作用の発生率は高くないとされていますが、もし副作用が心配な場合は、まず低用量から始めて様子を見る方法もあります。

ミノキシジル外用薬は局所的な副作用が中心で、かゆみやかぶれが主なものです。敏感肌の人や頭皮に湿疹がある人は、使用前に医師に相談しましょう。

また、内服薬と比べて全身への影響が少ないため、安全性の面では外用薬の方が優れているとされています。

持病がある人や他の薬を服用している人は、特に注意が必要です。ミノキシジルの外用薬は処方箋なしで自分で購入できますが、相互作用や体への負担を考慮して、医師と相談してから治療を始めてください。副作用が出た場合は放置せず、すぐに医師に相談しましょう。

3.費用と継続性を考える

AGA治療は長期間続ける必要があるため、費用も重要な選択基準になります。

• フィナステリドのジェネリック医薬品：月3,000〜5,000円程度
• デュタステリドは月7,000〜10,000円程度
• ミノキシジル外用薬は市販品で月5,000〜8,000円程度、クリニックでは12,000円程度

AGA治療薬	費用の目安（税込価格）
フィナステリド1mg+ミノキシジル5mg	1,638円/月～
デュタステリド0.6mg+ミノキシジル5mg	3,003円/月～
・フィナステリド1mg+ミノキシジル5mg ・ミノキシジルローション15%	6,417円/月～
・デュタステリド0.6mg+ミノキシジル5mg ・ミノキシジルローション15%	7,058円/月～

 

クリニックによって診察料がかかるところがあります。またオンライン診療は継続購入により割引制度を設けているクリニックも見つかるでしょう。

ミノキシジルの価格の差は濃度やその他の配合成分の違いによるものが多いです。購入前に確認してください。

併用治療を行う場合は、合計した金額が毎月かかります。年間で考えると大きな出費になるため、無理なく続けられる範囲で治療計画を立てましょう。

効果が高い薬を選んでも、費用の問題で続けられなくなっては継続が大切なAGA治療では意味がありません。

また、治療を中止すると効果が失われ、再び薄毛が進行してしまいます。そのため、治療を始める前に「この費用がかかるなら何年ほど続けられるか」を現実的に考えておく必要があるでしょう。

まずは単剤から始めて効果を見ながら追加していく方法もあるので、医師と相談しながら自分に合った治療プランを見つけてください。